仮想通貨は生活の一部になりつつある。そして仮想通貨の世界は日進月歩で、毎日毎月のように新しい言葉や情報が出回っている。2022年の春から夏にかけて出た仮想通貨業界の新しいニュースをまとめてみた。
政府がステーブルコインを規制
仮想通貨の中でも法定通貨にレートを固定したものをステーブルコインという。日本円にレートを固定したステーブルコインはあまり出ていないが、米ドルに固定したものならテザー(USDT)を初めたくさん流通している。
そして日本でもステーブルコインを本格的に規制する法律が成立した。6月3日に参議院本会議で成立した改正資金決済法がそれにあたり、1年以内に施行される。
この改正法ではステーブルコインの発行体となる銀行や信託銀行と個人との間に入る仲介業を登録制とすると定めている。
仮想通貨テラが崩壊
仮想通貨トレードをしている者なら誰でも驚いたと思われるのが、5月に起こったテラ事件だ。テラという仮想通貨には、ステーブルコインのテラ(UST)と、レートが変動するテラ(LUNA)の2種類があった。
しかし5月上旬になってアルゴリズムが上手く働かなくなり、ステーブルコイン・テラの米ドルとのレート連動が崩れてしまった。すると直後にテラ(LUNA)の方が大暴落し、5月の連休中はまだ10,000円以上あった価格が20日頃までにはほぼ0円の無価値になった。
この事件を受けて仮想通貨市場は動揺し、5月12日にはビットコインが335万円まで下がるなど多くの仮想通貨が2022年の最安値をつけた。
その後発行元企業は既存のテラ(LUNA)をテラ・クラシックと改名して残し、新しいテラを発行する計画を発表。新テラは5月末に発行済で、今後の値動きに注目が集まる。
Web3.0への期待高まる
仮想通貨の基盤となるブロックチェーンと統合された新しいウェブとして、Web3.0あるいはWeb3と呼ばれるテクノロジーへの注目が高まっている。
5月末には岸田総理が「Web3.0は日本経済の成長につながる」と発言した。またZOZOTOWN創業者として有名な起業家の前澤氏が、Web3.0やメタバースに投資をする100億円規模のファンドの設立を発表した。
仮想通貨市場の切り返しはあるか
しかし2022年が明けてからの仮想通貨市場の動きを見ると、ビットコインを初め多くの通貨のレートが下がっている。これは世界的な金融引き締めのためにリスク回避の流れが進行しているからであり、下げトレンドはもう少し続くかもしれない。だが仮想通貨市場が将来的には復活して上昇していくことは十分期待できる。