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RAIDの故障
RAID5やRAID6のHDDが故障し、全てのパソコンからNASにアクセスできないといったトラブルは日本全国アチコチで良く起こります。
特に常時接続(常に電源がONの状態で運用)するケースが多い、リンクステーションやテラステーションは環境によっては非常に壊れやすいものです。悪影響なのが、ホコリや熱です。
そのため、工事現場、建設現場、製造工場などで運用している場合、壊れやすい傾向があります。ファンが付いており換気機能があるのですが、排気ではないので、ホコリや熱を取り込みやすい構造なのです。
あまり掃除をしていない・・・。床だけを掃除している。空調や換気を日常的におこないホコリが家中に舞わないように気を付けていないと、リンクステーションだけに限らず、パソコンなどの精密機器は機械的に壊れやすくなります。
また、ビルの定期メンテナンスで土日に停電し、翌月曜日に出社してみたら、リンクステーションにアクセスできなくなってしまったというトラブルが良くあります。「これまで何回も建物の停電はあったけど、特に何も異常が発生しなかったので、事前に停電があることも知っていたけど、電源をオンのまま金曜日に退社してしまった」といケースです。
停電や落雷などは、リンクステーションやテラステーションのケース側の基盤に影響があるだけではなく、内蔵HDDにも破壊的な影響を及ぼすケースが良くあります。モーターやヘッドが壊れる物理障害では、パーツ交換後に復旧可能なケースがありますが、停電や落雷などの電気的な障害はデータそのものに影響に、破壊または消失させてしまうケースも珍しくないため、特に注意が必要です。
RAIDとは
RAIDとは(Redundant Arrays of Inexpensive Disks、または Redundant Arrays of Independent Disks)の略称です。通常、読み方はレイド。複数の内蔵ハードディスクを搭載し、物理的な故障の耐障害性を高めたNAS(ネットワークサーバー)で構成されるケースがほとんどです。
NASはネットワークアタッチトストレージ (Network Attached Storage) の略称です。LAN環境下でネットワーク接続して使用するファイルサーバ、データ保存サーバーです。TCP/IPで固定IPアドレスを割り当て運用されます。
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ホットスワップ機能で素早くトラブル回避
RAIDの構成は、一部のハードディスクが故障しても稼動できる目的に基本的に運用されます。その場合、電源を落とさず、仕事をストップさせずに故障したハードディスクを取り外して新しいハードディスクに交換することが出来るのがホットスワップ機能です。
NASやRAIDサーバーを停止することなく運用を続けることができるメリットがあるのが、ホットスワップです。このホットスワップ機能を利用できるかどうかは、あくまで装置側で機械的に対応しているかどうかがによります。
ファイルサーバ、データサーバーとして24時間連続稼働が求められるNASやRAIDではホットスワップがほぼ標準装備となっています。
但し、電源を入れたままハードディスク交換をおこなう作業となるため、年のため必ずメーカーにホットスワップ機能の有無と、その手順について確認していた方が安全です。
RAID MODE(レイドモード)解説
RAID0(ストライピング)
RAID1(ミラーリング)
RAID2ビット単位での専用誤り訂正符号ドライブ (ECC)
RAID3ビット/バイト単位での専用パリティドライブ
RAID4ブロック単位での専用パリティドライブ
RAID5ブロック単位でのパリティ分散記録
RAID6ブロック単位・複数パリティ分散記録
RAID0(ストライピング)とは
RAID0ストライピングのみの場合も一般的にはRAIDの一種とみなされ、これは冗長性、耐障害性がないことからRAIDゼロと呼ばれています。
RAID(レイド)の中でこのRAID0(ストライピング)だけが特殊で、耐障害性の無いディスクアレイ方式です。つまり、他のRAID(レイド)機能では1台のハードディスクが物理的な故障が発生しても、その他のハードディスクが生きていれば、運用可能なのに対し、このRAID0(ストライピング)だけが、1台だけでも故障するとアクセス、読み書きが不可能になるRAIDモードなのです。
では、何故、そのようなモードがあるのかと云えば、大容量化と書き込み速度優先のためです。バックアップ機能としては貧弱ですが、それでもバックアップしないよりかは安全です。
また以前はハードディスクの容量も1TB未満のものがほとんどで、また決して安いものではありませんでした。そのため、個人ユーザーを中心に幅広く利用されていたのが、大容量化と高速化を実現できるRAIDゼロ(ストライピング)だったのです。
RAID(レイド)に似ているJBOD (ジェイボド)とは
一般的に複数のディスクを構成する際にはRAIDが使用されるケースがほとんどですが、RAID(レイド)を使用しないディスク構成も存在します。例えば、その一例にJBOD (ジェイボド)があります。このJBODは(Just a Bunch Of Disks)のジャスト・バンチ・オブ・ディスクの略称です。
RAID同様に複数のハードディスク(HDD)を論理的に結合し、各ハードディスク容量の合計を合せて書き込みや読み込みができるようにする技術です。
このように複数のドライブを結合し、1つの仮想的なドライブに見立てて運用する方法をJBOD (ジェイボド)または「スパニングモード」と呼ぶこともありますが、意味は同じです。思想的にRAID0ストライピングとJBOD (ジェイボド)は近く、ストライピングではディスクの大容量化と高速化を目的に採用され、運営されますが、JBOD (ジェイボド)は主に大容量化だけを目的に運営されます。
現在、このJBOD (ジェイボド)モードはほとんど見かけませんが、古いBUFFALO(バッファロー)製のリンクステーションで実装されていた過去があります。
最近では2TB、3TBの大容量ハードディスクも珍しくありませんが、10年以上前では250GBや320GB、500GBといった今では小容量保存可能なデータ領域がないハードディスクが主流でした。
この当時は、JBOD (ジェイボド)モード、スパニングモードも一定の役割があり、小容量ハードディスクを何個も格納し仮想的に連結し、1つのドライブとして拡張することで、仮想的に大容量ハードディスクのように扱うことが出来たのです。
但し、一見、RAID機能と同じように見えるJBOD (ジェイボド)モード、スパニングモードですが、思想的には全く逆のものです。
RAID(レイド)は大容量化よりも、信頼性、耐障害性を優先した考えのもと運用されるのに対し、JBOD (ジェイボド)モード、スパニングモードは信頼性や耐障害性を犠牲にしても、大容量化によるデータ保存、データ保管容量最大化を優先したものだからです。
ハードディスクの大容量化、低価格化が進む、現在、JBOD (ジェイボド)モードはその役割を終わりつつあります。
また、RAIDが1台のHDD故障によるデータ消失事故を防ぐことも目的に使われるのに対し、JBOD (ジェイボド)は1台でも故障すれば、即、データ消失事故に繋がります。JBOD (ジェイボド)は信頼性や安全性といった意味では、まったく考慮されていない危険な拡張機能なため、個人ユーザーが利用することはあっても、企業や法人でワザワザ、採用するものではありません。
RAIDのHDD復旧料金相場
単体のハードディスク故障と比較して、RAID(レイド)は複数台のハードディスク故障が発生しトラブルとなるため、費用もかなり高額になります。単体の機械的なハードディスク故障では、データ復旧サービス業界平均で30万円ほどになります。高い業者では40万円。安い業者でも20万円程度はかかります。
RAID(レイド)のNASで複数台のハードディスクが機械的に故障した物理障害の場合、データ復旧サービス業界平均で100万円ほどになります。高い業者では130万円。安い業者でも80万円程度はかかります。
RAID機能が簡単に導入できると人気のバッファロー製のテラステーションなどには8台の内蔵ディスクがあるモデルもありますが、トラブルが発生した場合は、その復旧費用は想像以上に高額見積もりになりやすいので注意しましょう。
BUFFALO製のテラステーションに限らず、ウィンドウズのサーバーOSを利用しているファイルサーバーも同様です。一般的にはRAID5やRAID6の運用が多く見受けられますが、復旧費用はサーバーの新規購入価格を遥かに上回ります。
RAIDは耐障害性、耐物理障害用として信頼の高い運用方法ですが、過信をすると費用的にもかなりの損失になりやすいのです。