一口にファイルサーバーといっても、ネットワークを介して利用するNAS(Network Attached Storage) 型と、WindowsパソコンやMacとダイレクトに接続するDAS(Direct Attached Storage)型があります。
企業の社内環境では、複数のパソコンからアクセスできる必要があるため、NAS型のファイルサーバーの利用が一般的です。
このNAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)ではRAID(レイド)が利用されるのが一般的です。よく利用されるのはRAID 0・RAID 1・RAID 5・RAID 6、RAID 10です。
NASの故障はある日、突然に
このNASやRAID(レイド)は予想外に故障する時があります。4~5年前に購入し設置したNASは順次、内蔵のHDDにトラブルが発生します。
例えば、電源を入れても内蔵ハードディスクからカッチン、カッチンと異常音がして、全クライアントPCからアクセスできないといったケースが一般的です。
これまで、HDDのヘッドと円盤の位置関係は、飛行機が地上1メートルの高さを飛行しているようなものと言われてきました。しかし、それは過去の話で、今日現在は飛行機が地上から0.7ミリの高さで地面スレスレを飛行している程の位置関係に当ります。
そのため、衝撃やファームウェア不良は致命的です。高性能、大容量化、精密化の代償として、ある日、突然にアクセスできないといった症状がNASやRAIDでは特に発生しやすくなります。
RAID 6のメリット
- HDDが2台故障してもデータが保たれる
- 長所 RAID 5と同等の長所がある
- RAID 3やRAID 4のような無駄になる専用のパリティドライブがない
- ハードディスク台数が増やすほど高速化が可能
- 二重に冗長データ(パリティー)を生成するため、RAID 5よりもさらに信頼性が高い
RAID 6のデメリット
- 容量違いのHDDを有効活用できない(最小ハードディスクが基準となる)
- 容量の変更ができない
- 初期投資が大きい(長期的な運用コストはRAID 5と大差ない)
- 書き込み速度が低下する
- RAID 5と同様、ドライブ故障時に性能が低下する
- 3つ以上のドライブが同時に故障すると通常運用できない
- データ復旧費用が高額になる(80万円~120万円)
RAIDは同じ容量のHDDを束ねて「ストレージアレイ」(記録装置)を構成する技術だが、RAID 6で異なる容量のHDDを用いた場合、その中で最小容量のHDDに合わせることになります。
例えば、1TB、、5TB、10TBのHDDを4台格納しRAID 6を構成しても、1TBのハードディスク4台と同じことになってしまう。HDD2台分の容量が冗長データに使われるため、実際に記録できる容量が激減してしまいます。
その他、一度作成したRAID6は、あとからHDDを購入し追加して順次、記録容量を増やすといった柔軟性がない。そのため、最初から大容量の高額なHDDを使う必要があり、初期投資費用がかかりやすい欠点があります。
RAID 6の特徴まとめ
RAID 6は任意の2つのハードディスクに障害が発生してもデータが復元できる高性能且つ、耐障害性に優れたRAIDです。
冗長データ(パリティー)を2種類作成し2つのHDDに記録することで、同時に2つの内蔵ハードディスクが故障しても復元できる特徴があります。但し、最低4個の内臓ハードディスクを必要とします。
またRAIDナンバーが示すように人気のRAID 5よりさらに高い耐障害性があります。例えば、RAID6の場合、1台が故障してもRAID 5並みの稼働を保って運用することが出来ます。
内蔵ハードディスクの台数や、異なる容量同士のHDDを有効活用できない、後から容量の変更ができないといったデメリットはあるものの、企業のNASでは、多くが、このRAID6を採用しています。