WINDOWSが起動しない。パソコンが立ち上がらない場合、まず最初に疑われるのはMBR (マスターブートレコード)が損傷です。
またディスクの初期化を実行しようとした場合、論理ディスクマネージャーがアクセスできるようにするにはディスクを初期化する必要があります。と下記のようにディスクの初期化選択画面が表示されるケースがあります。
ディスクの選択
選択したディスクに次のパーテーションスタイルを使用する
- MBR(マスタ ブート レコード)(M)
- GPT(GUIDパーティションテーブル)(G)
注意:以前のバージョンのWindowsでは、GPTパーテーションスタイルが認識されません。このスタイルは容量が2TBを超えるディスク、またはitaniumベースのコンピュータで使用されているディスクで使用することをお勧めします。
OKまたはキャンセルボタン
では、このMBR (マスターブートレコード)やGPTとは何のことでしょうか?
具体的には下記のようになります。
目次
MBRとは
MBRとは【master boot record】の略称です。
日本語読みの場合、マスターブートレコードと読みます。
このMBR(マスターブートレコード)はハードディスクのパーティションの情報とIPLが記録されています。必ずディスクの先頭箇所に存在します。
IPLとは、Initial Program Loaderの略称ことで、コンピュータが起動された際に最初に作動するプログラムです。
2種類のパーテーションスタイル
ハードディスクの初期化にはパーテーションの作成とフォーマットが必要になります。
Windows Vista以降のOSの場合、2種類のパーテーション形式を選択可能です。
この2種類のパーテーション形式の1つがMBR(マスターブートレコード)です。
もう1つがGPT(GUIDパーティションテーブル)となります。
OSを起動させるパーテーションを作成する場合には、通常MBR(マスターブートレコード)を選択します。
GPT(GUIDパーティションテーブル)でも、OSを起動させるパーテーションを作成可能ですが。GPTでWindowsを起動できるようにするには、Windowsの64bitでVistaか7以降のOSでEFIの環境が必要になります。
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EFIとは
このEFIってのは2TB以上の容量を持つハードディスクに対応するために、特定のチップセットを使用したマザーボードでUEFIの採用され始めました。
EFI仕様によってGPT(GUIDパーティションテーブル)でもブートローダーやOSが利用可能です。
EFIには幾つかのメリットがあります。そのうち一番大きなメリットが2TB(2000GB)を超える大容量のハードディスクからOSのブートが可能になることです。
MBRかGPTの選択基準
つまり、ハードディスクの形式をMBR(マスターブートレコード)にするのか、GPT(GUIDパーティションテーブル)にするのかはハードディスクの容量とインストールするOSによって、ほぼ決まります。
2TB未満のハードディスクをGPT(GUIDパーティションテーブル)にする意味はほとんどありません。
一方、2TB以上の大容量ディスクを使ってウィンドウズの64bitでVista(ビスタ)や7以降のOSを使うならGPTになります。
OSをWindows Vista32bit版でインストールするなら、MBRでも問題ありません。
MBRのメリットとは
MBRのメリットは少なくなっているとはいえ、普通に起動ディスクとしても使える上に、ハードディスクをパソコンから外しても、他のWindows Vistaより以前のOSでも読み込めるメリットがあります。
例えば、WindowsXPではHomeEditionやProfessionalEditionを問わず、MBR形式のHDDでなければ読み込むことが出来ません。
そのため、複数の古いOSが混在するネットワーク環境下や、古いパソコンがある一般家庭では2TBのハードディスクはMBR形式を選択しておいた方が無難です。
そもそも、、WindowsXPやVistaの場合、GPT(GUIDパーティションテーブル)のHDDを読めないからです。
MBRのデメリットとは
一方、MBRのデメリットはハードディスクを2TBの容量までしか認識しません。
そのため、例え3TBの容量のHDDを購入し接続しても、2TBの容量までしかパーテーションを作成できません。
2TBと1TBに分割してパーテーションを作成しドライブとするので大容量化のメリットを活かせません。
所謂、MBRには2TBの壁が存在するのです。
GPTはどれくらいの容量まで扱えるのか
では、GPTはどうなのか?
このGPT(GUIDパーティションテーブル)では理論上、8ZB(ゼタバイト)までの大容量ディスクに対応可能です。
現在、2TBのHDDやそれ以上の大容量ディスクも増えていますが、約40億倍の80億TBまでのディスクを扱える仕様です。
WindowsXPやVistaのパソコンは徐々に家庭でも会社でも使われなくなっています。
7や8、10以降のパソコンしかないのであれば、徐々にMBRではなく、GPTに慣れていった方が良いでしょう。
回復コンソールを使用してMBR修復方法
WindowsXPなどの場合、ディスクからCD BOOTして再セットアップもしくはセットアップメニューから選べます。
この「Windowsの修復」でMBRを修復させることができることがあります。
まず始めにWindows のセットアップ フロッピー ディスクまたは Windows の CD-ROM を使用してコンピュータを起動します。通常、[セットアップの開始] 画面で、F10 キーを押すか、R キー (修復) を押します。
次に回復コンソールを選択します。
EXIT と入力しますと、回復コンソールを終了し、コンピュータを再起動させます。
下記のような文字が表示されます。
1: C:\WINDOWS
どの Windows インストールにログオンしますか? と聞かれますので、該当する Windows インストールの番号を入力した後、Administrator アカウントのパスワードを入力画面になります。
尚、誤ったパスワードを 3 回入力すると、Windows 回復コンソールが終了してしまうので注意が必要です。
また、セキュリティ アカウント マネージャデータベースが存在しないかエラーを起こしているケースも、認証が正しく行われないため、Windows 回復コンソールを使用できませんので注意が必要です。
C:\WINDOWS>のあとに fixmbr と入力してEnterキーをおしてください。
C:\WINDOWS>fixmbr
「新しいMBRを書き込みますか?」と表示されますので、「Y」キーを押した後にEnterキーを押します。
すると次のようなメッセージが表示されます。
『**警告** このコンピュータに、非標準または無効なブートレコードがある可能性があります。
続行すると、FIXMBRパーティションテーブルが壊れる可能性があります。
現在のハード ディスクのすべてのパーティションにアクセスできなくなる可能性があります。
ハードディスクドライブのアクセスで問題ないときは、続行しないでください。』
新しい MBR を書き込みますか? y
「Y」キーを押した後にEnterキーを押します。
「新しいブートレコードは正しく書き込まれました。」と表示されればMBRの修復作業は完了です。
最後にパソコンを再起動して、正常に立ち上がるかどうか確認してください。
万が一、正常に立ち上がらずに、以前と同様にWINDOWSが起動しない場合には、データ復元業者に依頼したほうが安全にデータを復元してもらえます。ハードディスクが機械的に壊れている可能性が極めて高いからです。
あまり電源投入を行ったり、強制終了や間違った作業をおこなってしまうと2度とデータが復元できないことになるので注意が必要です。
MBRのまとめ
OSがハードディスクの中の何処に格納されているのか、どのようにして起動するのかなどの情報が記録されている部分がMBRです。パソコンが立ち上がる際に一番最初に読み込まれるため、一般的に、ハードディスクの最初のセクタに記録されています。
つまりPCの電源ボタンを押すとハードディスクではまずMBRが読み込まれ、「ブートローダ」と呼ばれるプログラムが作動しはじめます。
ブートローダはパーティションの位置や大きさなどを記録したパーティションテーブルを読み込んだ後に、つぎに起動するパーティションの「ブートセクタ」と呼ばれる領域を読み込みます。
このブートセクタに置かれたプログラムは、そのパーティションに置かれたOSを起動するといった順番になります。
そのため、ハードディスク上のMBRの情報が何らかの理由でエラーや障害が起きてしまうと、PCはOSが起動することができないためモニター画面に何らかのエラーメッセージが表示されることになります。