ある日、突然にパソコンから異音が聞こえることがあります。この異音の発生源は主に3つあります。それが「pcファン」「CPUファン」などのファン類と「ハードディスク」です。
USB外付けHDDの2.5inchタイプなどの小型薄型ポータブルの場合、ファンがないケースが一般的ですが、3.5inchタイプやRAID機能があり複数台のハードディスクを内蔵しているNAS(ファイルサーバー)の場合、冷却用のファンがついていることが一般的です。
pcファンの異音
「pcファン」はパソコン内部の空調を担っているため、熱がこもりやすいパソコン内部の温度を下げる役割があります。
一方、「CPUファン」はファンが回転するもの以外にも、アルミの放熱現象により温度を下げるものがありますが、モーターで回転させるタイプのファンの場合、故障するとCPUの温度が上がり、CPU自体が故障しパソコン自体が起動しなくなるので、故障は非常に危険です。
ファンの異音は急激な高回転音が聞こえるケースが一般的です。「ブオーン」といった音がするケースもありますが、実はpcファンの異音は、ある意味ユーザーにとっては危険を知らせてくれる警告音のため歓迎すべき側面があります。
実際はファンが故障すると回転しなくなるだけで、異音が聞こえないケースの方が多いからです。
異音が発生しないため、ユーザーは冷却ファンが壊れたことに気づくことはありません。
気付かないうちにファンが壊れることで、CPUだけでなく、ハードディスクやSSDといった内蔵記憶装置が損傷しやすくなります。
ノートパソコン、デスクトップパソコン、USB外付けハードディスク、NASなどの種類によっても違いますが、ファンは大小を問わず大体付いています。ファンが故障し、異音が聞こえたら、すべてがスグに故障するわけではありませんが、危険な前兆なので速やかにデータ類のバックアップを取り、修理交換することをお勧めします。
但し、データのコピー保管をしていない場合、そのような状態を放置すると次から次へと色々なパーツが故障する可能性があるので注意しましょう。
異音以外の確認方法
では、ファンが壊れているのか、壊れていないのか、音以外に分かることはないのでしょうか?
パソコンのソフトにはハードディスクのSMART情報を取得し、温度管理できるものもあります。
またデスクトップPCの場合、温度センサーなどを使って直接、ハードディスクなどの内部温度やファンの回転数などを調整できるパーツがあります。
尚、一番分かりやすいのは、体感温度かもしれません。いままで感じたことがない熱さをノートパソコンに触ると感じる・・・。パソコンのケースを外しハードディスクに触ったところ火傷しそうなほど温度が高かった・・・。など異常な熱さはファン故障が原因の可能性があります。
ハードディスクの異音
ハードディスクから異音 HDDやPCから異音が聞こえてきた時はデータ復旧させる事は出来るのか?
PCの中にはHDDやSSDなどの記録装置があります。
USBアダプターを接続する外付けハードディスクなどもありますが,中古のものでも新しいものであっても電源を押して起動させた途端、聞き覚えのないおかしな音がパソコン内部から聞こえてくる事があります。
異音の事例としてはジー、ジー,カッツン・カッツン,カタン、カタンといった異常音です。このような異音は何かしらのフォルダやファイルなどのデータを使いたい時や、或いはパソコンの電源を入れた直後に発生する場合もあるのです。
電源投入後、初めのほうで何回か聞こえて、いつの間にか静かになるケースがほとんどです。
但し、大きな音が長く鳴り続けているといった状態となる事もあります。
何故このような異常な音が聞こえてくるかというと,そのほとんどはヘッドやヘッドアクチュエーターのトラブルです。これはHDD内にある重要な部品で、一般的に物理障害といわれる故障です。
その他の物理障害の症状としては,基盤エラー・モーターが壊れるといったものがあります。
また,プラッターと呼ばれるデータが保管されている記録面が損傷するとデータの読み取り不可能になります。
ハードディスク異音の原因
ヘッド・モーターが壊れてしまう原因には,USB接続の外付けハードディスクやPCを誤って机から落下させたり,落下の衝撃が無くても故障する場合もよくあるのです。
例えば、パソコンを買ってから何か月か経過してからだったり,或いは1週間経たない内や購入直後の事もあります。
HDDの耐用年数はメーカーの発表では10年以上持つといわれていますが、通常使用していく場合でも4年以上も経てば壊れるケースがほとんどです。冷蔵庫などの電化製品であれば,5年や10年といったように長持ちします。
しかし,精密機器でもあり昔にくらべてデータ保存容量が増えたHDDは小さい問題(ノイズ)にも脆弱である側面があるのです。
年々、高精密化するハードディスクやUSBメモリー、SDカード、SSDといったメモリー系は大容量化が進む一方で、壊れやすくなっているとも言えます。
異常音が聞こえるHDDの扱い方
パソコンや外付けハードディスクと問わず、記録メディアの中には,例えば結婚披露宴を映したものや新婚旅行だったりお子さんが誕生した年から成長を見守り続けた写真といった想い出のデータが詰まっていることが良くあります。最近では年賀状の住所録なども一度、紛失すると厄介なものがあります。
また会社の決算や会計データ。見積書や請求書、CADデータ、研究データなど長年、時間と労力をかけて蓄積してきた仕事の重要なデータが保管されているケースがあります。
こうした記録データは中にはお金に換算する事の出来ないとても大切なものばかりです。
もし明らかにこれまで聞いたことがないようなおかしな音が聞こえているという時は,機械的な故障が疑わるため、ユーザーが自分の力でデータを復旧させることは不可能です。
特にパーツが故障した物理障害が発生している場合,電源のONとOFFを通繰り返してしまうと症状が進んでしまい、復旧できたはずのデータも復旧不可能になってしまう可能性があるので危険です。
もし、データを復旧させたい場合には、出来るだけ何もせずに現状を変化させないようにする事が最優先です。
異音がするHDDのデータ復旧業者は少ない
その後、専門のデータ復旧会社に依頼するほかないでしょう。
但し、データ復旧会社の中には、ヘッド交換ができない会社も多いので、HPの料金表だけで会社を選ぶと失敗します。2度とデータが元に戻らないケースも良くあるので注意しましょう。
ヘッドの交換はハードディスクをクリーンルーム内で開封し、適合するストックパーツと交換の上、ドナーディスクを作成する必要があります。
PC3000などでファームウェア不良を修復できるケースもありますが、ヘッド不良のハードディスクの修理は日本国内でも対応できる業者は少ないのです。
誤ってヘッド交換できない業者に依頼すると、壊されて戻ってくるだけなので気を付けましょう!